子どものうさぎがパパを探しています。家族に「パパは どこ?」と聞いてまわります。最後はパパを見つけて、抱っこしてもらって一安心。でも、言葉づかいにちょっと変なところがあります。
子うさぎの最初の言葉は「きょうの パパは?」。最後の言葉は「みつけた! パパの いるところ」。今日だけのパパ、なんているの? 子うさぎが探していたのはパパではなく、パパのいる場所だったの?
疑問を感じながら絵本を読み進めても、答えは見当たりません。まるで、絶対的に存在するパパなんていないといっているように思えます。でも、子うさぎを抱きしめてくれるパパは確かにいるのです。
訳者あとがきに答えのヒントらしきものが書いてありました。パパは「きっとどこかで何をしていても、あなたのことを想ってくれているはず。その日その日の、人それぞれの、パパの「いるところ」があるということをこの絵本は教えてくれているように思います」。人はそれぞれ自由に生きられる。そして、そのためにもお互いに尊重し合うことが大事だなと思いました。(店主)
パパはどこ?
クレール・ガラロン 絵と文
依布サラサ 訳
北原みのり 解説
アジュマブックス
2022年11月24日発行
定価:[1,980円](本体1,800円+税)
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