のりがテーマの科学絵本です。食べる海苔です。ちょっと地味なテーマのように思いますが、子どもたちは手巻き寿司やのり巻きなど、のりを使った食べ物が大好きです。
表紙の絵はほとんど黒。実際にのりは黒一色に見えますが、光に透かして見ると、緑色の小さい葉が重なっていることが分かります。それに気づいたこの絵本の作者は、何か秘密を発見したみたいで嬉しかったそうです。
のりは海で育つ海藻です。ただ、海であればどこでもよいという訳ではありません。川の水が流れ込み、海の水と川の水が混ざり合うところで育ちます。川の水には山でもらった栄養がたっぷり含まれています。さらに、おひさまの光も大事です。のりは、海、川、山、そして光が揃って美味しく育つのです。
私は東京・大森で生まれ育ちました。大森はかつて、のりの産地として有名でした。子どものころ、近所にのりを手作りする家があり、この絵本に描かれている方法で実際にのりを作っていました。そんな懐かしい思い出と一緒に、この絵本を楽しみました。(店主)
のり(かがくのとも2023年1月号)
佐武絵里子 さく
福音館書店
2023年1月1日発行
定価440円(本体400円+税10%)
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