タンザニアの昔話の絵本です。日照りが続く中、森の動物たちが飲み水を得るまでのお話が語られます。水は生きるために絶対必要なもの。ユーモアを感じさせるお話は、私たちが生きていく上で本当に必要なものは何かと問いかけます。
昔々、多くの動物たちは森の中で仲良く暮らしていました。ただし、ライオンは平原で、ワニは川の中で暮らしていました。あるとき、長引く日照りのため、森の中では飲み水が無くなってしまいました。
動物たちは森を出て水を探しに行くことにしました。平原にいるライオンがこわいけど、みんな一緒なら大丈夫です。長い間歩いて、やっと川を見つけます。でも、そこにはワニがいて、水を飲ませるかわりに「おまえたちのだれかを食わせてくれ」といいます。誰かが生贄にならないと水を手に入れることはできないのでしょうか。動物たちは仲間割れを始めてしまいます。
作者のジョン・キラカさんはタンザニアのティンガティンガ派で絵を学びました。ティンガティンガ派はエドワード・サイディ・ティンガティンガ(1932〜1972)が1960年代に生み出したポップアートの流派です。この絵本でも、色鮮やかで素朴な味わいの絵が私たちを惹きつけます。(店主)
なかよしの水
ジョン・キラカ 作
さくまゆみこ 訳
西村書店
2019年9月2日発行
本体1500円+税
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