台湾の絵本です。柔らかいタッチで描かれた奥行きの深い絵は見応えがあります。
物語は1856年、台湾に一人のイギリス人がやってきたところから始まります。彼の名前はロバート・スウィンホー。外交官でありながら、博物学者でもありました。
スウィンホーは台湾の先住民が身に付けていた毛皮に魅了されます。雲豹(ウンピョウ)の毛皮でした。雲豹はヒョウに似たネコ科の動物です。森林に溶け込むことが得意で、足跡すら見つけることは困難といわれていました。スウィンホーは森林を歩き回りましたが、結局、雲豹の姿を見ることはできませんでした。スウィンホーの時代から100年以上が過ぎ、やはり雲豹に魅せられた若者が台湾に現れます。彼の名前は姜博仁(ジャンポーレン)。テクノロジーの会社で働いたのち、生態系の研究者になっていました。姜も山林を歩き回り、現代のテクノロジーも駆使して雲豹の姿を追い求めますが…。
台湾の風景はすっかり変わってしまいました。台湾の雲豹は、もう絶滅してしまったのでしょうか。いいえ、きっとまだ山林のどこかに潜んでいるのでしょう。(店主)
HIDE & SEEK まぼろしの雲豹をさがして
鄒駿昇(ページ ツォウ) 作
東山彰良 訳
工学図書(山烋のえほん)
2024年6月30日発行
定価(本体2,000円+税)
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