私たちの身のまわりは、たくさんの色で満ち溢れています。その色はどこからやってきたのでしょうか? この絵本で「色のもと」について学びましょう。
「色のもと」のことを「色素」といいます。色素には2種類あるそうです。一つは「顔料」、もう一つは「染料」と呼ばれています。
この絵本のお話は顔料から始まります。顔料とは色のついた粉のこと。石や鉄のサビなどがその材料になりました。顔料の粉だけでは、物にくっつけても、やがて剥がれ落ちてしまうので、膠や油、樹液など糊になるものを一緒に混ぜて使うようになりました。これが絵の具。紙や板などに、色を塗るときに使います。
一方で、糸や布を染める際に使われるのが染料です。染料は、顔料の粉よりも、ずっと小さい粒子で、水に溶けます。でも、染料が糸や布にくっついた後、再び水に溶け出しては色落ちすることになって困ります。こうした難しい注文に応じられる色素はなかなか無いそうです。私たち人間は、顔料も染料も試行錯誤しながら、自然の中から見つけ利用してきたのです。(店主)
いろいろ色のはじまり(たくさんのふしぎ2023年10月号)
田中陵二 文・写真
福音館書店
2023年10月1日発行
定価770円(本体700円+税10%)
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