見応えのある絵本です。群れを描くことで、絵本の世界がダイナミックに構築されました。
始まりは一匹のネズミ。一匹に見えて、実は群れの先頭を走るネズミでした。
ネズミの後にネコ、ネコの後にイヌ、イヌの後に飼い主の人間と、群れが続きます。人間の後にオニが来たと思ったら、その後に豆まきの人たち、まいた豆に群がるハトの群れまで、群れが次々と繋がっていきます。
一塊の群れですが、群れを構成する要素にはそれぞれ個性があります。この絵本の面白さは、その個性を一つひとつきちんと描き分けているところ。群れを描くことで、際立った個性の存在を気づかせてくれます。だからこの絵本、終わりは一匹のネズミ。(店主)
むれれれれ(こどものとも年中向き2023年10月号)
中垣ゆたか 作
福音館書店
2023年10月1日発行
定価440円(本体400円+税10%)
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