不思議なタイトルの絵本ですね。大の鉄道好きの作者は、駅の名前からお話を始めます。
全国の鉄道に乗っている作者はあることに気づきます。駅名に「津」や「浦」の字が多く使われているのです。作者は「津津浦浦」という言葉があることに思い至ります。「国じゅう」とか「日本のすみからすみまで、もれなく」といった意味です。
日本は、いたるところに津や浦があるのでこういう言葉が生まれたのでしょう。では、津や浦とはどんな場所なのでしょう。どちらの字にも付いている「氵」は水に関係する部首です。津や浦は水に関わる場所と想像できます。作者は実際の駅まで出かけて行って確かめることにしました。
こうして作者の旅が始まります。「氵」の付いた文字が使われる場所には、海や川とつながる物語がありました。やがて作者は、どんな場所にも小さな物語が隠されていることに気づきます。そんな物語を、あなたも探してみませんか? (店主)
津津浦浦(たくさんのふしぎ2023年3月号)
野坂勇作 文・絵
福音館書店
2023年3月1日発行
定価770円(本体700円+税10%)
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