ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2024年11月23日土曜日

【本の紹介】とって



 選んで「とって」と呼びかけてくる絵本です。「とって」のあとのお楽しみは何でしょう。

 扉のページにはスプーンとフォークが描かれ、「すぷーん とって」と呼びかけられます。さあ、スプーンで甘くて美味しいすいかを食べましょう。

 小さい子どもの身近にあるものをシンプルに表現しました。一方で、色彩豊かに描かれた絵は明るく華やかです。文章もシンプルに、そしてリズミカルに綴られます。

 表紙カバーを使った仕掛けもあります。どうぞ合わせてお楽しみください。(店主)


とって

さく/オオノ・マユミ


エンブックス

2024年6月19日発行

定価1,320円(本体1,200円+税10%)


#くわのみ書房

2024年11月22日金曜日

【本の紹介】なんていいひ



 子どもたちのエネルギーがあふれ出る絵本です。素敵な青空があれば、それだけで幸せな気分になれます。

 外は雨。モノトーンに描かれた子どもたちはつまらなそう。でも、ラジオから流れ出す音楽は心をウキウキさせてくれます。

 子どもたちは体全体で喜びを表します。もう家の中に留まっていることはできません。外に飛び出せば雨も上がり、子どもたちは「さあ、はじけちゃおう!」。世界はカラフルに色づきました。柔らかい線で描かれた絵が魅力的です。

 空に向かって「な・ん・て・い・い・ひ!」とさけびましょう。こんな幸せが世界中の子どもたちに訪れますように!(店主)


なんていいひ

文 リチャード・ジャクソン

絵 スージー・リー

訳 東直子


小学館

2024年2月5日発行

定価:[本体1,800円]+税


#くわのみ書房


【本の紹介】HIDE & SEEK まぼろしの雲豹をさがして



 台湾の絵本です。柔らかいタッチで描かれた奥行きの深い絵は見応えがあります。

 物語は1856年、台湾に一人のイギリス人がやってきたところから始まります。彼の名前はロバート・スウィンホー。外交官でありながら、博物学者でもありました。

 スウィンホーは台湾の先住民が身に付けていた毛皮に魅了されます。雲豹(ウンピョウ)の毛皮でした。雲豹はヒョウに似たネコ科の動物です。森林に溶け込むことが得意で、足跡すら見つけることは困難といわれていました。スウィンホーは森林を歩き回りましたが、結局、雲豹の姿を見ることはできませんでした。スウィンホーの時代から100年以上が過ぎ、やはり雲豹に魅せられた若者が台湾に現れます。彼の名前は姜博仁(ジャンポーレン)。テクノロジーの会社で働いたのち、生態系の研究者になっていました。姜も山林を歩き回り、現代のテクノロジーも駆使して雲豹の姿を追い求めますが…。

 台湾の風景はすっかり変わってしまいました。台湾の雲豹は、もう絶滅してしまったのでしょうか。いいえ、きっとまだ山林のどこかに潜んでいるのでしょう。(店主)


HIDE & SEEK まぼろしの雲豹をさがして


鄒駿昇(ページ ツォウ) 作

東山彰良 訳


工学図書(山烋のえほん)

2024年6月30日発行

定価(本体2,000円+税)


#くわのみ書房

2024年11月20日水曜日

【お知らせ】ペペペ日めくりカレンダー2025、入荷しました!




 来年2025年の「ペペペ日めくりカレンダー」を販売します! くわのみ書房の店内でもお馴染みの日めくりカレンダーです。

 作った人は渡邊知樹さん。日めくりの1枚1枚に「日々野家」の生活をほのぼのとしたイラストで描きます。

 毎日、日めくりを破って一日を始めましょう。朝の癒しは生活に潤おいを与えます。心の余裕を取り戻せます。

 千葉県内の取り扱い店舗はくわのみ書房だけ。ご購入はどうぞお早めに!(店主)


ペペペ日めくりカレンダー 2025 BOX SET


渡邊知樹

3600円(税込)


#くわのみ書房

【ご案内】子どもの本のろうどく会 vol.15



 くわのみ書房は「子どもの本のろうどく会 vol.15」を開催します。くわのみ書房のスタッフが「子どもに語る グリムの昔話」シリーズ(こぐま社)の中から選んだお話を声に出して読みます。子どもだけでなく、大人も楽しめます。どなたもお気軽にご参加ください。


■日 時:2024年11月23日(土)午前11時~11時30分

■会 場:くわのみ書房

■対 象:子どもと大人

■参加費:無料

※事前のお申し込みは不要です。


〈お問い合わせ〉くわのみ書房

電話:047-419-3567

電子メール:mulberrybookstore@gmail.com

(Facebook、Instagramでも受け付けます)


#くわのみ書房


2024年11月19日火曜日

【ご報告】「村上春樹の絵本を読む会 vol.16」を開催しました!



 くわのみ書房は11月15日(金)、「村上春樹の絵本を読む会 vol.16」を開催しました。当日のキャンセルが出て、ご参加いただいたのは2人でした。

 取り上げた絵本は『魔術師アブドゥル・ガサツィの庭園』(絵と文 C・V・オールズバーグ、訳 村上春樹、あすなろ書房)です。2005年9月10日発行。すでに品切になっています。

 犬を散歩に連れ出した少年は「ぜったいになにがあっても犬を庭園の中に入れてはいけません 引退した魔術師アブドゥル・ガサツィ」と書かれた注意書きの札を見つけます。その先にはツタにおおわれた壁があり、戸口が開いています。犬は、もと来た道を戻ろうとする少年の意思に反し戸口を駆け抜け、中に入っていきます。少年は魔術師のガサツィさんと出会い…。

 作者の独特な世界観を描くモノクローム作品です。ガサツィさんの魔術をお楽しみあれ。(店主)


#くわのみ書房

2024年11月15日金曜日

【本の紹介】KOBAYASHI



 前作「チーズロワイヤル」に続く、同じ作家の2冊目の作品集です。短編小説と、やや長めの小説作品を収めました。前作と同様、ありふれた日常の中にふと残されたエピソードが描かれます。

 生活の中で何か心に残るものを見つけたとき、一つのストーリーが浮かび上がります。そんなストーリーが綴られています。気負わずに気取らずに書き連ねた作品たちを集めました。

 毎日の暮らしの積み重ねに、ささやかな喜びを見出す人がいます。でも、そこに難しさを感じる人もいるでしょう。そんな人たちに、この本をお勧めします。

 読む人も、作者と同じように気負わずに気取らずに、手に取ってみてください。きっと、自分の人生もそんなに捨てたもんじゃないと思い直せることでしょう。(店主)


KOBAYASHI

袋小路コウジ


ホペンシクル書房

2024年9月1日発行

定価750円(税込)


#くわのみ書房

2024年11月14日木曜日

【本の紹介】チーズロワイヤル



 短編小説の作品集です。普通にいそうな人々の何気ない生活を描き、読む人の共感を集めます。

 短い小説の中にも、一つの世界があります。それは紛れもない非日常の世界です。

 でも、この作品集で描かれる世界は、日常と非日常との境界がちょっと曖昧です。登場する人物も、リアリティがあるような、ないような。だから読者は気軽に、それぞれの作品の中に入って行けるのでしょう。

 一晩寝た後、いやでも日常の生活がやっくることに、ちょっと憂鬱さを感じているあなた。そんなあなたにこの作品集をお勧めします。(店主)


チーズロワイヤル

袋小路コウジ


ホペンシクル書房

2023年7月15日発行

定価700円(税込)


#くわのみ書房

2024年11月13日水曜日

【本の紹介】多層性のレッスン



 一人の人間の中に、決して相容れない矛盾が存在することを不思議に思っていました。この本は、その不思議を解き明かす手助けになりました。

 この本の著者は、世界は「無数のレイヤー(層)」で構成されているという視点があることに着目し、強く共感します。そして、その多層性について思考を深めようと試みます。

 私たちが見ている世界は、一つの調和された世界であり、それを私たちは一つのレイヤーとして認識しているのでしょう。でも、その世界とは異質な世界のレイヤーが存在することを想像してみてください。そのレイヤー感覚は漠然としたものであっても、世界の、そして人間の多層性を気づかせてくれる第一歩となるのです。

 児童書専門店の経営者でもある著者は、子どもの本を通じてレイヤー感覚を研ぎ澄ませ、世界の多層性を見出すレッスンを重ねていたようです。この本では著者の「多層性のレッスン」を導いた子どもの本が紹介され、中身の濃いブックガイドにもなっています。(店主)


多層性のレッスン

奥山恵


りょうゆう出版

2024年9月24日発行

定価:本体1,500円+税


#くわのみ書房

【ご案内】村上春樹の絵本を読む会 vol.16


 

 くわのみ書房は「村上春樹の絵本を読む会 vol.16」を11月15日(金)に開催します。作家・村上春樹さんによる翻訳絵本を楽しみましょう。

 今回取り上げる絵本は『魔術師アブドゥル・ガサツィの庭園』(あすなろ書房)です。この会ではこれまでに何回も取り上げたクリス・ヴァン・オールズバーグ作品の一つです。2005年9月10日に発行されました。村上春樹訳でオールズバーグの不思議な世界を楽しみましょう。飲み物とお菓子付きの会です。


■読む本:『魔術師アブドゥル・ガサツィの庭園』(絵と文 クリス・ヴァン・オールズバーグ、訳 村上春樹、河出書房新社)

■日 時:2024年11月15日(金)午後6時~7時

■会 場:くわのみ書房

■参加費:500円 ※飲み物とお菓子付き

■定 員:4人


〈お問い合わせ・お申し込み〉くわのみ書房

電話:047-419-3567

電子メール:mulberrybookstore@gmail.com

(Facebook、Instagramでも受け付けます)


#くわのみ書房

2024年11月2日土曜日

【本の紹介】となりにすんでいるクマのこと(たくさんのふしぎ2024年11月号)



 人がクマに襲われるというニュースをよく聞くようになったと思います。そんな事故を起こさないためにも、私たちはクマのことをもっとよく知る必要があります。この絵本でクマの知識を深めましょう。

 日本には2種類のクマがいます。北海道のヒグマと、本州・四国で暮らすツキノワグマです。九州では、ツキノワグマはすでに絶滅し、四国でも絶滅が心配されているそうです。

 別荘地として有名な長野県の軽井沢町の周辺にもツキノワグマがいます。町ではクマによる事故を防ぐため、町の依頼を受けてクマの保護管理をするクマチームが活躍しています。クマチームは、人が暮らす場所の近くに出てくるクマをワナで捕まえて、発信機を付けて行動を追跡しています。一頭一頭に名前も付けて、きめ細かくクマの情報を集めます。

 クマチームの活動を通じて、私たちはクマの子育てや冬眠の方法など、クマに関する多くのことを学ぶことができます。それは人と同じ、命の営みです。クマチームの活動の目的は、人とクマの両方を守ることにあるのです。(店主)


となりにすんでいるクマのこと(たくさんのふしぎ2024年11月号)

菊谷詩子 文・絵


福音館書店

2024年11月1日発行

定価810円(本体736円+税10%)


#くわのみ書房

2024年11月1日金曜日

【本の紹介】ジェットフォイルーとぶように はしる ふねー(かがくのとも2024年11月号)



 ジェットフォイルはワクワクする乗り物の一つです。そのワクワク感を追体験できる絵本です。

 ジェットフォイルは前と後ろに翼を備えています。水中翼といいます。出航すると横向きだった水中翼は縦向きに降ろされ、翼の部分が水面と平行になります。

 ジェットフォイルのスピードが少しずつ上がっていきます。操舵室で船長が「テイクオフ!」と声をかけ、航海士が水中翼を操作すると、ジェットフォイルが浮き上がります。ぐんぐんスピードが増し、海の上を飛ぶように走ります。

 ジェットフォイルは飛行機のようにジェットエンジンを使います。ジェットエンジンで海の水を前から大量に吸い込み、後ろに勢いよく吹き出すことで進みます。たくさんの荷物は積めないけれど、速いスピードで走ることができるのです。海の上を颯爽と走る、そのスピード感がたまらない魅力です。(店主)


ジェットフォイルーとぶように はしる ふねー(かがくのとも2024年11月号)

谷川夏樹 さく


福音館書店

2024年11月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

【本の紹介】こちょこちょ もこもこ ぶわわわわ(ちいさなかがくのとも2024年11月号)


 

 不思議なタイトルの絵本です。表紙の絵をみて、何だか分かりますか?

 これは植物のガマの穂です。絵本ではソーセージみたいと書かれていますが、確かに形はよく似ています。

 表面はふかふかの手触りで、「こちょこちょ」とくすぐるように触ると、何かが「もこもこ」と出てきて、「ぶわわわわっ!」と膨らみます。その正体は、ガマの綿毛。白いわたあめのように変身します。変身のプロセスが、この絵本のタイトルになりました。綿毛は爆発するようにガマの穂から溢れ出るそうです。実際に観てみたいと思うのは、私だけではないでしょう。

 風に飛ばされる綿毛は、和紙を切り抜いて表現しました。綿毛はタネを遠くまで運ぶ役割を担います。その力強さが見事に描かれています。(店主)


こちょこちょ もこもこ ぶわわわわ(ちいさなかがくのとも2024年11月号)

竹村東代子 さく


福音館書店

2024年11月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

【お知らせ】カフェメニューの価格を変更します

   カフェメニューの価格を4月1日から変更します。コーヒー豆やお菓子などの仕入れ価格の値上がりに伴い、当店の価格も値上げすることにしました。よろしくお願いいたします。(店主) #くわのみ書房