一羽のにわとりと過ごした夏の日々を描いた絵本です。子どもとにわとりが突然出会い、やがて切ない別れを迎えます。濃縮された時間は、いつまでも子どもの心に残ります。
暑い夏の日の午後、「わたし」がおにいちゃんと家で過ごしていると、どこからかにわとりがやってきました。お尻が禿げた情けない姿。近所の人も、このにわとりのことは知らないようです。にわとりは「わたし」の家でしばらく飼うことになりました。
にわとりは「コッコ」という名前をつけてもらいます。コッコはたくさん食べて、どんどん太ってきました。お尻の羽も生え、卵も産むようになったのです。病気になったこともありましたが、「わたし」はコッコとたくさん遊びました。
秋になり、コッコはにわとりをたくさん飼っているお家に引き取ってもらうことになりました。コッコが来たときから、そういう約束だったのです。コッコとともに過ごした夏。それは「わたし」にとってかけがえのない時間となりました。(店主)
コッコがいたなつ(こどものとも2023年9月号)
山崎るり子 文
石川えりこ 絵
福音館書店
2023年9月1日発行
定価440円(本体400円+税10%)
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