ニホンカモシカと動物写真家の交流を描いた写真絵本です。カメラを見据えたニホンカモシカの目は、私たちに何を語りかけているのでしょう。
ニホンカモシカは日本だけに見られる固有種で、本州、四国、九州に生息しています。名前に「シカ」とついていますが、ウシの仲間だそうです。
動物写真家のこの絵本の作者は、なぜかニホンカモシカに「無性に会ってみたく」なり、青森県の下北半島の西の端に位置する脇野沢を訪れました。海岸ぞいの山々を何日も歩き回った末、ようやくニホンカモシカと衝撃的な出会いを果たします。それ以来、脇野沢に通うようになり、四季折々の姿を撮影するようになりました。
2015年、春から夏に移り変わろうとする季節のある日、写真家の前に親子と思われる2匹のニホンカモシカが現れました。子どもはまだ産まれたばかりのようです。写真家は「パール」と名付け、その後の成長、そして親となって子育てするようすを見守ります。凛々しいその姿は、私たちに命の尊さを強く訴えます。(店主)
ニホンカモシカのパール(たくさんのふしぎ2025年11月号)
前川貴行 文・写真
福音館書店
2025年11月1日発行
定価810円(本体736円+税10%)
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