この絵本の主人公は針金です。さて、どんなお話になるのでしょう。1本の針金を表情豊かに描いた絵も見事です。
大工さんの道具箱に入っていた「はりがねくん」。今日は出番が無さそうだと、大工さんに置いていかれてしまいました。はりがねくんは、ぷんぷん怒っています。「ぼく、いつだって やくにたつはずだ」
それで、はりがねくんは誰かの役に立つために出かけることにします。はりがねくんの細い体は自由自在。ボールのように丸まってころころ転がって行くと、子どもが帽子を高い木の枝に引っ掛けて泣きそうにしています。はりがねくんはぐるぐる渦を巻いたバネのようになり、「ぴょん ぴょん ぴょーん」と飛び上がって帽子を取ってあげました。
困っている人がいれば助けてあげるはりがねくん。頼りになりますね。最後に助けてもらったあの大工さんも「やっぱり、はりがねは やくにたつな」。はりがねくんは「えへん」と胸を張っていいました。「おやすいごようです」(店主)
おやすいごようです(こどものとも2023年5月号)
林原玉枝 文
及川賢治 絵
福音館書店
2023年5月1日発行
定価440円(本体400円+税10%)
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