ニホンオオカミと人間の交流を描いたお話の絵本です。「オイノ」とは、東北地方のある地域で使われている言葉で、ニホンオオカミのことです。
昔々、北の村で、いちろうたちの家族が暮らしていました。ある日、いちろうとじいちゃんは、「ししあな」に落ちたオイノの親子を助けます。ししあなは山のけものから畑を守るための罠で、地面に掘る落とし穴です。
その年の秋。村に「ヤメエイヌ」が出没するようになりました。オイノが病気にかかり、口からよだれを垂らして酔っ払いのようにふらふら歩き回っているのです。ヤメエイヌに噛まれると、人も動物もたちまち死んでしまうといいます。その恐ろしいヤメエイヌに、いちろうとじいちゃんが出会ってしまいます。絶体絶命のピンチに陥ったいちろう。そのとき、いちろうを救ったのは…!
ニホンオオカミはかつて全国各地に棲んでいましたが、絶滅したといわれています。遠い昔、日本に生きていた動物の姿を迫力ある絵で描いた絵本です。(店主)
とうげのオイノ(こどものとも2023年2月号)
森元葉子【文】
伊藤彰剛【絵】
福音館書店
2023年2月1日発行
定価440円(本体400円+税10%)
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