ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2021年3月26日金曜日

【本の紹介】焼けあとのちかい




 かつて日本はアメリカなどの国々と戦争をしました。戦争の末期、東京は大規模な空襲を受けます。東京大空襲です。

 この絵本の作者の半藤一利は15歳になる年に東京大空襲を経験します。1945年3月10日、東京の下町は爆撃機が落とした爆弾の焼い弾で焼き尽くされ、10万人以上の人々が亡くなりました。

 半藤少年が住む下町にもごく普通の生活がありました。やがて戦争が始まり、東京にも爆弾が落とされる日々がやってきます。そして迎えた東京大空襲の焼けあとに立ち、半藤少年はこの世に「絶対」はないということを思い知ります。

 「絶対に正義は勝つ、絶対に神風がふく。絶対に日本は負けない。絶対にわが家は焼けない。絶対に焼い弾は消せる。絶対に自分は人を殺さない」

 たくさんの「絶対」があり、それがどんなにむなしく自分勝手な信念であったかを、半藤少年は焼けあとから教わりました。

 それから半藤少年は、二度と「絶対」という言葉は使わないと誓います。でも大人になった半藤少年は、この絵本で、あえて「絶対」という言葉を使って一つの思いを伝えようとします。「戦争だけは絶対にはじめてはいけない」(店主)


焼けあとのちかい

文・半藤一利

絵・塚本やすし


大月書店

2019年7月12日発行

定価[本体1500円+税]

0 件のコメント:

【ご案内】宮田ともみ『くまさんのふーっ!』の一日原画展、明日12月6日開催です!

 くわのみ書房は12月6日(土)午前11時から午後6時まで、絵本作家・宮田ともみさんの新刊絵本『くまさんのふーっ!』の一日原画展を開催します。  宮田さんの『くまさんのふーっ!』が教育画劇から10月25日に発売されました。主人公は、寒い寒いとためいきばかりついているくまさん。ほら...